リクルート営業の失敗談

リクルート営業の失敗談

私は人材派遣会社で営業職をしていた。リクルート営業だ。
あなたの希望に寄り添って転職活動をサポートすると謳うCMを見たこともあるだろう。
ああいったCMで見る営業職は、転職アドバイザーと呼ばれる営業のことを指す。
しかし、裏側には別の営業職があることは知っているだろうか?
人材を求めている企業を探し出し、自社の人材を紹介する契約を結ぶ営業がいるのだ。
この営業をリクルート営業と言う。

私の所属していた会社は従業員10人以下という零細企業だったため、営業は転職アドバイザーと、このリクルート営業を兼ねていた。
ある時、とある企業から人材を紹介してほしいと依頼が来た。
その依頼のメールを見たのは、外出先から帰って事務処理をしていた夜10時頃。
かなりのブラック企業で終電ギリギリまで働く毎日だったため、正直頭はフラフラしていた。
たまたま、私が派遣先を探していた求職者と住所が近い場所で就業できたため、私はすぐにその企業に人材の紹介をした。

その会社は上司のお得意様だったこともあり、すぐに人材が見つかったことに喜んでおり上司からも期待をされていた。
求職者も、すぐに派遣先が決まりそうということで喜んでいた。
しかし職場見学(派遣は面接が禁止されているので見学と言う形で実質の面接を行う)の前日、私はとても重大なミスに気づいた。
求職者の居住地と近い企業だと思っていたのに、実は駅名が似ていただけで、離れた土地にあったのだ。
つまり、求職者がその企業で働くには通勤時間に1時間以上はかかることになると気づいた。実質、派遣は難しい場所だった。

すぐに企業に連絡して、私が就業先の住所を見間違えてしまったために紹介予定の人材の就業が難しいことと、他に紹介できる人材はいないことを電話で謝罪した。
これまでのやり取りでは冷静だった企業の担当者だったが、かなりきつい口調で「そんないい加減なこと、どうやったら起こるの!?どうなってんのよ!!」と言って電話を切られた。
すぐに上司に報告をすると「俺のお得意先になんてことをするんだ!!」と言われて、上司からも連絡をすることになった。

結果、求職者には別の派遣先を用意できたこともあって求職者からのクレームは何とかなったものの、上司からはかなりきついお叱りを受けた。
私のミス1つで、取引先を失う事にもなりかねないということを胸に刻んだ出来事だった。

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